公営住宅(戸建てタイプ)

[概要]
所在地 :鳥取市
用途  :公営住宅
構造  :木造 2階建て

[プランの特徴]
 鳥取市郊外に計画された、使いやすい間取りの公営住宅です。必要な部屋をコンパクトな2階建ての木造住宅にまとめ、異なる2タイプの住戸を少しずつずらしながら配置することで、各戸の自然採光やプライバシーを確保し
ています。田園の残る景観の向こうには、豊かな山々を望むことができます。

 外部は日本瓦や杉板などの伝統的な材料を中心に、周囲の景観に溶け込む和風な外観にまとめました。しっかりと軒先を出した設計は外観のためだけではなく、降雨や日射から外壁材を保護して将来の維持管理コストを低減すると共に、室内へ入る日射量を調整して空調負荷低減を図っています。

 内部の柱や梁、小屋組みには地元・鳥取で育った杉をふんだんに使い、そのままインテリアとして室内に積極的に表しています。構造材が仕上げを兼ねることで、仕上げ材料を省いて建物の高さを抑えることができ、公営住宅の限られた予算の中でも高いコストパフォーマンスを実現しています。保木本設計のコンセプトである『素的な住まいづくり』は、公営住宅の分野でも存分に活かされています。

囲 KAKOI

[概要]
所在地 :鳥取市
用途  :更衣室・シャワー室
構造  :木造 平屋建て
建築面積:156.70㎡
延床面積:131.68㎡

 鳥取市内の運動公園に建つ、シャワーブース付きの更衣室棟です。計画地には元々3本の大きな樹木がありました。この印象的な樹木を中庭のシンボルツリーとして活かし、建物で『囲うように』建築しました。

 ※この建物は、保木本設計と鳥取環境大学 船越美香さんの2者による共同設計です。

[プランの特徴]
 
シンボルツリーのある中庭を中心に据え、両脇に建物を配置したシンメトリーな外観が特徴です。勾配が緩やかなガルバリウム鋼板葺きの屋根に、『ドイツ下見板』と呼ばれる横張りの杉板のコンビネーションがシンプルで軽やかな印象を与えます。利用者は中庭を正面に見ながら、左右に分かれてそれぞれの更衣室へアプローチします。中庭はアプローチ動線も兼ねており、飛び石を渡れば各更衣室の中間に位置する審判室へと繋がります。

 中庭に面する外壁は大部分を乳白色のガラス張りとし、高所には連続窓を設けました。この開口部の計画によって、更衣室内に向けられる視線をカットしつつ明るい自然光と自然通風を取り込むことができます。また、シンボルツリーの木陰がガラスを通して室内に入り、室内にいても中庭の雰囲気を感じ取ることができます。従来の更衣室は暗くて閉鎖的なイメージがつきものですが、この建物では中庭を効果的に活用して開放性を作り、内外の適度な距離感を保っています。

 この建物では柱や梁、小屋組みに地元・鳥取で育った杉をふんだんに使い、建物内部にインテリアとしてそのまま表しました。木材は表して使うことで消臭効果や調湿効果が期待でき、仕上げ材料を省略して高いコストパフォーマンスを実現しています。建具やロッカーなどの造り付け家具にも杉材を多用しており、地元の材料、地元の職人の手で丁寧に作られています。

元々あった3本の樹木。

それを囲うように建築。

更衣室のアプローチ。

審判控室のアプローチは飛び石を渡る。

中庭側は乳白色ガラス張り。照明が無くても明るい。

換気用の高所窓付き。ロッカーも地元の杉を使って製作。

天井面には杉の垂木や野地板が表れている。

中庭の樹木。

中から外へ。閉塞性と開放性を併せ持つ。