八頭町の家

[概要]
所在地 :八頭町
用途  :住宅
構造  :木造 2階建て
建築面積:105.80㎡
延床面積:165.90㎡(約50.3坪 ※面積には車庫部分も含む)

 郊外の新興住宅地に建築した、若い夫婦と子どもが暮らす住まいです。周囲には田園風景が残り、遠方には山々を望むことができる一方で、駅にもほど近く利便性の高い敷地での計画です。

[外部の特徴]
 シンメトリーな日本瓦葺きの屋根に、ベンガラ色に着色した杉板と白い漆喰のコンビネーションの外壁。印象的なカラーリングが田園の残る風景に映えます。玄関の横には柔らかいアーチ状の屋根がかかるガレージを設けました。アーチ状の屋根はそのまま母屋へ貫入して玄関庇と一体化し、伝統的なファサードに柔らかい印象を付加しています。

 ガレージの奥には日当たりの良い庭を設けました。庭に面した濡れ縁は内外を繋ぐ中間的なスぺースとなり、室内空間に広がりを与えています。

[内部の特徴]
 若い夫婦の住まいということもあり、家族の誕生や成長によって変化する暮らしに柔軟に対応できるプランを心がけました。リビングルームを囲うように配置したオープンな居室は明確な仕切りを持たず、住まい手の必要に応じて家具や建具を用いて仕切ることが可能です。リビングルーム上部の吹抜けによって各居室が緩やかに繋がり、程よい距離感で家族の気配を感じ取ることができます。

 内装には鳥取県産の智頭杉をふんだんに使用し、仕上げとして積極的に表しています。ダイナミックな架構(骨組み)がそのままインテリアとなり、智頭杉の持つ香りや暖かい雰囲気を直接感じ取ることができます。また、構造材を表して使うことで仕上げ材料を省略し、建物の高さを低く抑えて高いコストパフォーマンスを実現しています。

ガレージには印象的なアーチ屋根がかかる。

ガレージの天井面には、力強い骨組みが表れている。

濡縁。庇には、夏季の暑い日射を適切に遮蔽する効果を期待している。

広がりのあるリビングスペース。

和室は、障子を開け放すとリビングと一体化する。

籠り感のあるキッチンスペース。

リビングスペースの上部には、吹抜けを設けている。

吹抜けを介して、緩やかに空間が繋がっていく。

自然光や冬季の暖かい日射が、吹抜けを介して室内の奥に届けられる。

階段ホールと一体化したフリースペース。

各部屋は緩やかに繋がり、暮らしに合わせて区切ることができる。

室内には、智頭杉がふんだんに表れている。