2023年 明けましておめでとうございます。

 2023年となりました。明けましておめでとうございます。旧年中にはたくさんの新しいお客様や同業者様とのご縁がありました。毎年多くの建築物に関わらせて頂いていることに感謝し、期待に応えるため日々技術を磨かねばならないと感じております。

 今年は令和5年。新元号となって早くも4年(実質3年半)です。そして、COVID-19が出現して3年となります。(長いですね。)

 令和のスタートは2019年5月で、私が鳥取で働き始めたのとほぼ同時でした。悲しいことに、私が鳥取で過ごした大半の時間はCOVID-19の流行と重なってしまっています。学生さんの中には、在学期間中の全てがCOVID-19との闘いだったという世代もあるでしょう。

 明るい兆しが見えそうでなかなか見えない世の中ですが、気分まで暗くなってはいけません。私たち建築士の仕事は、日々頭を使って粘り強く仕事することに変わりないのです。

 現在、保木本設計では数少ない大きなプロジェクトが進行中で、本年中に形になる見込みです。多くの方が関わるプロジェクトだけに越えなければならないハードルも高いですが、できるだけ多くの人にご満足がいただけるよう気を引き締めていこうと思います。

 さて、本ブログは多忙を理由に10月を最後に更新が途絶えておりました。反省を生かし、今年は些細なことでも更新してみたいと思う所存です。

 今年一年、何卒宜しくお願い申し上げます。

2023年1月6日 | カテゴリー : 仕事 | 投稿者 : Koh Hokimoto

三度目の正直

 先日、小室氏がNY州の弁護士試験に合格したとの報道が出ていました。三度目の挑戦にして念願の弁護士へ。氏についてはネガティブな報道も多かった模様ですが、この度の吉報に関しては称賛されるべきだと思います。

 私も、一級建築士試験の製図試験には三度挑戦して合格した過去があります。建築業界も弁護士と同じく、資格を持っていないと仕事にならない世界です。皆が早く一人前になりたいとの一心で、忙しい仕事を何とかこなしながら、身を削って勉強に励むわけです。

 試験は回を重ねるに連れて技術的な部分は向上していきますが、その代わりにプレッシャーが徐々に大きくなります。『角番』と呼ばれる三度目の試験では並大抵のものではありません。(三度失敗すると再び学科試験からやり直しで、再び地獄の生活が待っているのです。)

 私は社会人になって数年、建築業界にいながらもやや畑違いの仕事をしていました。小室氏も、畑違いの仕事から弁護士を目指されたと聞いています。そして同じ三度目の試験で合格・・・。

 世間の注目度が段違いのため、そのプレッシャーは私などとは比べものにならないでしょう。しかし、目標のために三度も同じ試験勉強を頑張ったということについては、気持ちを察することができます。私たちのような『士業』では、資格取得はゴールでなくスタートです。私も初心を忘れずに技術向上に邁進していきたい思います。

2022年10月25日 | カテゴリー : 日記 | 投稿者 : Koh Hokimoto

設計者冥利に尽きること

 先日、当社が住宅リノベーションをお手伝いしたお客様に招待いただき、秋のバーベキューを楽しんできました。

 引き渡し時の『がらんとした』状態から半年以上が経ち、お庭も充実。新調した家具と使い込んだ家具が同じ空間に馴染み、しっかりと『住まい』へ変貌を遂げていました。この変化を見届けるのは、設計者冥利に尽きる瞬間でもあります。

 引き渡し後の訪問では、『建物は使う人がいて初めて意味を持つ』ことをしみじみと感じます。私たち設計者は事前にあれこれと細かいことを考えるのが主な仕事ですが、やはり建物は『使ってなんぼ』なのです。実際に住み始めてからの住まいの進化を見たり生の声を聞けることは、注文住宅の設計の仕事だからこそ味わえる感覚です。

 一方で、建築設計の仕事には設計・積算・監理と、デスクワークから現場とのやり取りまで様々な工程があります。どれもやりがいのある仕事ですが、一貫して関わることに醍醐味があると感じます。というのも、当社も設計に携わることがある公共施設では『監理』は仕事の範囲外だったりすることもしばしば。それゆえ、自らが設計した建物が知らないうちに出来上がっていることも多く、利用者の声を聞くこともない…。さまざまな都合があるとはいえ、本当にこれで良いのだろうかと少し寂しい感覚を覚えるのです。

2022年10月9日 | カテゴリー : 仕事, 日記 | 投稿者 : Koh Hokimoto

建築士ですが高所恐怖症です

 私は建築士ですが、筋金入りの高所恐怖症です。その傾向は幼少の頃から表れており、遊園地に行っても絶叫系アトラクションの類には近づきもしませんでした。『鳥取砂丘こどもの国』にかつて存在した空中ブランコのような遊具は特に苦手で、相当離れた距離を歩くようにしていました。近づくと「一緒に乗るかい?」と問いかけられるからです。近づかなければ、問いかけられる機会も減る。子どもながらリスクを排除する術を知っていたのですね。親の立場からすると、せっかく遊園地に連れて行ったのに残念だったかもしれません。

 かの空中ブランコのような遊具ですが、白浜アドベンチャーワールドに現存します・・・。こどもの国の遊具はこれの巨大版だったように記憶しています。怖い・・・。

 ところで、建築設計の仕事では高所に上る機会もあります。正直言って気乗りはしませんが、仕事ですから避けては通れません。先日、某所の調査で久しぶりに高所作業車に乗る機会がありました。カゴに乗って地上20mほどの高さまで上ります。安全講習を受けたオペレーターが操作するとはいえ、やはり怖いものは怖い。

 そもそも、高所恐怖症を発症するのは身の危険を感じるからで、人間の本能だと思います。例えば同じ高さのビルでも、ガラスで守られたレストランのような場所では落ち着いて食事ができますが、壁のないオープンな場所だと恐怖心が生まれます。ゆえに、高所作業でもしっかりと安全対策が取られていれば、おそらく高所恐怖症の私でも問題はありません。

 しかし、作業用の足場や安全設備の設置には当然費用が掛かります。通常、建築工事では仮設工事費が見積に明示され、それに従って安全対策が行われます。一方、設計者が行う調査や点検では、公共事業であっても安全対策するための費用を出してもらえないケースがほとんどです。費用対効果が低いからでしょうか?

 したがって、名目上は「安全対策費を頂けないので、安全な場所から目視調査しますね」となるのですが、現実的にはそうはいきません。詳細な図面を作るためには危険なタラップを上ったり、一歩踏み間違えれば墜落するような状況であっても調査するしかないのです。ということは安全対策費用を当然見込むべきなのですが、そうはならない。不満と矛盾を感じざるを得ません。

 ちなみに、現在では労働安全衛生法の改正により、高所作業を行う際には『フルハーネス型』の安全帯を着用することが義務付けられています。フルハーネス型とは、従来の『腰ベルト型』とは違い、全身に着込むタイプの安全帯です。『高所作業』とは地上2m以上の場所での作業を言います。

安全帯の違い(ビルディ)

 高所から墜落した場合、腰ベルト型の安全帯では落下時の衝撃荷重が腰だけに掛かります。そのため、命は助かったとしても骨や内臓に大けがを負ってしまい、後遺症が残るケースも多くあったようです。一方でフルハーネス型は落下時の衝撃荷重が全身に分散されますから、体への負担が少ないのです。しかし、設計者が行う調査ではそもそも安全帯を引掛ける場所がないので、使用することはほとんどないでしょう。

 法改正により工事作業者の安全性が高まっていくのは大変良いことですが、設計での調査も一種の高所作業なのですから、安全対策の必要性が認知されていってほしいものです。

2022年9月15日 | カテゴリー : 仕事 | 投稿者 : Koh Hokimoto

名建築で昼食を(食べませんでしたが)

 先日の大阪巡りで散策した中之島付近では、歴史的な建築物にも多数出会うことができます。

 写真は大阪市中央公会堂。この建物は築100年以上経っていますが、免振レトロフィット(鳥取県庁と同様の工法)による耐震改修を経て、今も現役で使われています。前回の記事で紹介した『大阪中之島美術館』の公開設計コンペティションは、この建物のホールで行われました。安藤忠雄氏の『子ども図書館』も、この建物のすぐ横にあります。

 ところで、大阪の歴史的建築物に関連するドラマ、『名建築で昼食を』の大阪編が放送されています。池田エライザさんと田口トモロヲさんが主演で、名建築を紹介しつつランチを食べるというものです。私は以前に放送されていた東京編から継続して視聴していますが、これが大変面白い。

 建物の見どころを的確に紹介しているため、予備知識がなくても無心で見ることができます。ドラマ仕立てとなっていますが、ストーリーはあくまで補助的な位置づけです。それゆえ、何話か飛ばしても全く問題はありません。『孤独のグルメ』のような感じ、といえば分かりやすいでしょうか。興味のある方は視聴をお勧めします。

 鳥取から大阪へ遊びに行かれる方は多いですが、買い物などが目的になりがちです。しかし、買い物をする繁華街に多数のレトロな建築物が現存するのも大阪の街の特徴です。ドラマを見てから行くと、次から大阪巡りが少し楽しくなるかもしれません。

名建築で昼食を 大阪編

※このドラマは鳥取では放送されていません。Tverで視聴可能です。

2022年9月4日 | カテゴリー : 仕事 | 投稿者 : Koh Hokimoto

お盆は大阪へ

 先日は、夏季休暇を利用して大阪へ。COVID19がまた蔓延傾向でしたので外食(会食)は極力避けましたが、一人ブラブラと中之島付近を巡りました。大阪の中心市街地には、最先端の建築物に加えて、戦前から建っている歴史的な建築物が多数残されています。今回は、それらの一部をご紹介。

①大阪中之島美術館

 写真でも分かるように、とてもインパクトのある外観をしています。この建物は、2016年に設計コンペティションで設計案が選定されました。私はこの公開コンペの場に居合わせ、名だたる設計事務所の中から遠藤克彦氏の設計事務所が選定される一過程を見届けたのですが、当時から閉鎖的で異質な印象を放っていた記憶があります。実際に出来上がったものを遠くから見ると、『街の中に黒い物体が浮かんでいる』かのようです。外観写真は2階にある遊歩道から撮っていますが、2階の外壁は全てセットバックしており(引っ込んだ位置にあり)ガラスで構成されています。これが浮遊感を作り出しているわけですね。かなりの存在感があるのですが、黒だからか主張しすぎという感じでもない、不思議な感覚を覚えました。設計の意図通りというところでしょうか。

 建物の内部は、大きな吹抜けを中心に上り下りのエスカレーターが交差する構成となっています。このあたりの構成をパッサージュと称して提案していたような記憶があります。

 内装は全体的に凹凸感のある金属系の仕上げとなっており、コンペ時とは異なるクールな印象になっていました。なお、展示室へ向かうには、大きな吹抜けに設置されたエスカレーターで4階上っていくことになります。高所恐怖症の方は下を見ないことをお勧めします。(怖かったです)

当時の設計コンペの提案内容はこちら(大阪市ホームページ)

 ちなみに、現在倉吉市内で工事中の『鳥取県立美術館』の設計者である槇文彦氏もこのコンペに参加されていました。改めてコンペの提案を見返すと、鳥取県立美術館の設計にも通じるところがあるような、ないような?

②こども本の森 中之島

 安藤忠雄氏が私財を投資して建設、大阪市へ寄贈した子供向けの図書館です。大阪中之島のほかに、兵庫県神戸市、岩手県遠野市にも同様の施設があります。

 お盆期間はCOVID19の影響で入場制限がかかっており、90分の枠ごとに入場者を全て入れ替え、各枠の中で事前予約した100人のみが入場できるシステムでした。子どものための施設ということもあり、いい歳をした大人が嬉々として行くべきではない。しかし、興味はある・・・ということで事前予約はせず、直前に1人キャンセルが出るのを待って入場しました。

 中は、まさに子どものための施設。本棚の高さ、天井の高さといったスケール感が全て子供向けにデザインされています。吹抜けを書架が取り囲み、座って本を読める大階段など、子どもたちが感覚のままに本に触れ合える楽しい設計。

 内部の写真撮影はTPOを考えて自粛しました。というのも、ここは子どものための施設であり、本を楽しむ子どもたちをよそに建築マニアが写真を撮影する場所ではありません。私のほかにも何名か、写真撮影を目当てに入っていると思われる方がいらっしゃいました。メインの吹抜け廻りは撮影が禁止されているわけですが、そのうち一部の方は係員が注意する中で写真撮影を強行しておられました。これでは近年問題となっている自己中心的な『撮り鉄』と同じで、安藤忠雄氏の建築を冒涜しているような気がしました。

 ここは大人だけで行ってはいけません。お子様を連れて行ってみると、初めてこの建築の醍醐味が味わえるでしょう。

2022年8月28日 | カテゴリー : 日記 | 投稿者 : Koh Hokimoto

海の京都へ(後編)

自衛隊桟橋
 舞鶴市といえば、旧海軍の基地(現在は海上自衛隊の基地)があることで有名ですね。東舞鶴にある舞鶴市役所の付近に行くと、舞鶴湾に停泊する自衛艦がお出迎えしてくれます。高層ビルに匹敵するような巨大な船もあり、見ごたえは十分。

 
 舞鶴湾は京都~福井に跨る若狭湾の一部を形成しており、日本国内でも有数のリアス式海岸です。(地理の知識を総動員)日本海側特有の夏の美しい海と相まって、とても気持ちの良い写真となりました。

 何もない広大な海原も開放的で良いですが、対岸に地続きの陸地が見えるのも大変に味わい深いです。写真の技術的な面には疎いのですが、メリハリが出るからそう感じるのでしょうか?建物も広いだけでは大味で、中庭等を挟んで見える景色を美しく感じるのと似ています。

舞鶴赤れんがパーク
 自衛隊桟橋のすぐ近く、舞鶴市役所に隣接して赤れんがパークがあります。旧海軍の倉庫などに使われていた建物をリニューアルしたものです。重厚感あるレンガ積みの建物が並び、タイムスリップしたかのよう。歩いているだけでも楽しいスポットです。

 
 これらの赤れんがの建物の中は、ショップやカフェ、スタジオやフリースペースとして活用されています。観光資源としても、市民の活動の場としても、上手く整備された場所だと感じました。

伊根の舟屋群
 舞鶴市より若狭湾を西に回り込むように1時間ほど走ると、伊根町に到着します。この道中の景色が非常に美しいです。鳥取でも岩美町~新温泉町あたりを走ると素晴らしいオーシャンビューが楽しめますが、それと比べて更に海が近く、自分が映画のワンシーンに入り込んだかのようです。ドライブルートにとてもオススメですが、景色に見とれて海に落ちないように注意してください。

 さて、伊根町と言えば『舟屋』です。舟屋は1階を船着き場、2階を住居としたスタイルの家屋で、現代でいう『ビルトインガレージ』の船バージョンといったところでしょうか。町を歩けば、伊根湾を囲むように舟屋が所狭しと並んでいます。

 

 どうでしょう、この見事な湾の景色!舟屋の手前には透き通った夏の海が広がり、海底にへばりつくウニまでもはっきりと見えます。以前より、伊根には是非夏に行きたいと考えていましたが、目論見は大正解です。

 美しい湾を囲むようにレストランなどが整備されており、観光案内所の2階にある展望レストランで食事を堪能しました。こちらは役場の旧倉庫をリノベーションした大変味のある建物。(調べると、以前挨拶させていただいたことのある建築士さんが設計されていました)

 

 そして旅の最後には、美しい伊根湾を遊覧船に乗って一周。遊覧船は、地元の漁師さんが運航する『個人タクシー』的な小型船と、大人数でまとまって乗船する大型船の2種類があります。私たちは乗り物に弱いため、安定性のありそうな大型船にチャレンジ。

 
 この遊覧船、カモメが至近距離にまとわりつきながらの運航となります。乗船時に100円で『かっぱえびせん』が売られており、これを海に目掛けて投げると、無数のカモメたちが器用に空中でキャッチするという仕組みです。カモメたちは大変に可愛らしいのですが、注意していないと排泄物が降り注ぐことを忘れてはなりません。また、途中で何故かトンビが混じった鳥類の集団と化すため、手に餌を持っていると襲われる危険があります。そのため、私たちは下部の屋根付きのエリアにて控えめに楽しみました。なお、私たちの乗った大型船は大周りに一周するルートでしたが、小型船だと舟屋の直近まで寄ってもらえるようです。

 
 ちなみに、舟屋群の中には宿泊のできる『舟屋旅館』なるものもあります。この景色を見ながら宿泊できるとは、なんという贅沢な旅館でしょうか。旅館は通年で営業しているそうです。しかし日本海側ですから、冬場は伊根町もどんよりとした気候になる模様です。(鳥取にお住まいの方は良くご存知でしょう)個人的には、観光に行かれる際は夏場に訪れることをお勧めします。

道の駅 舟屋の里 伊根より撮影
2022年8月18日 | カテゴリー : 日記 | 投稿者 : Koh Hokimoto

海の京都へ(前編)

 先日、休暇を利用して京都へ行ってまいりました。京都と言っても古都の方ではなく、『海の京都』のキャッチコピーがつく北京都方面です。

 建築士が絡む旅行には、建物の見学がつきもの(?)です。一緒に行く家族にとっては、休暇中も仕事・・・と思うことでしょう。ですが! 好事例がそこら中にあることは、建築の良いところでもあるのです。ということで、訪れた建物などを一部ご紹介。(2回に分けます)

旧加悦町役場
 鳥取市から豊岡市を経由し、与謝野町へ。国道178号線を中心に2時間ちょっとのドライブ。意外に近い。ちなみに、国道178号線は語呂合わせで『イナバ』となりますが、因幡の国:鳥取まで繋がっているのは何らかの由縁があるのでしょうか?(ダジャレではなく、本当に疑問)

 さて、こちらは築90年ほど経っている役場庁舎です。耐震改修が行われて綺麗になっていますが、レトロな意匠はそのまま。内部は建物見学できるほか、丹後ちりめん(織物)のコースター製作体験が楽しめます。

旧尾藤家住宅
 旧加悦町役場より続く『ちりめん街道』にある、江戸時代より続くちりめん商家です。増築を繰り返し行った形跡があり、和と洋の作りが入り混じった面白い建物となっています。ちなみに、『ちりめん街道』を歩いていると、今でもそこら中から織機の音が聞こえ、地域の伝統を感じることができます。(猛暑ですが、頑張って歩きました)

天橋立
 与謝野町より車で15分程度で到着。ここは建物ではありませんが、観光名所ですから説明不要でしょう。
なお、天橋立を見下ろすスポットは2か所あります。北側が傘松公園、南側が天橋立ビューランドというスポットですが、地元の方の話では、南から見た方が砂浜がきれいに見えるのでオススメとのことです。

 この後は舞鶴市へと移動し、美味しい魚と地酒を楽しみました。移動途中には、前職で設計に携わった建物が見えたりして懐かしい気持ちに。

 鳥取も含め、日本海側は夏の景色が段違いに良いと感じます。海の透明度が高いこともあるでしょうか。北京都方面は高速道路が未開通につき下道を走る距離が長いのですが、全く退屈しませんでした。鳥取市から下道で2~3時間程度で、高速料金もかかりません。近場の観光スポットとして是非お勧めします。

2022年8月15日 | カテゴリー : 日記 | 投稿者 : Koh Hokimoto

隈研吾さんの講演会

 本日は、現代日本を代表する建築家・隈研吾氏の講演会でした。コロナウイルス感染者が再び急増中の中、主催していただいた鳥取県建築士会と運営の方々には感謝申し上げます。

 限られた時間ではありましたが、氏の設計に至るまでの理念や発想の一部を伺うことができる貴重な機会であったと思います。大きな成果を収めておられる方のスピリットを感じることで、自分自身の活力にもなります。

 講演会については、後日期間限定でYoutubeに公開されるようです。(8月11日 9:00 ~ 18日 9:00の間)

 Youtubeのリンクは以下の通りですので、是非ご覧ください。 8/18 9:00をもって公開終了しました

2022年8月5日 | カテゴリー : 建築, 日記 | 投稿者 : Koh Hokimoto

一級建築士 学科試験

 先週は、2022年度 一級建築士試験(一次試験:学科試験)だったようです。多くの受験生の皆様、ひとまずお疲れ様でした。

 私が学科試験を受けたのは2014年だったので8年も前のことになりますが、この時期になると受験生だった頃のことを思い出します。日々の業務をこなしつつ、家に帰っては寝る間を削って勉強に励む。試験が近づくと、通勤の満員電車の中で、縮こまりながら参考書をひたすら読みました。

 当時は建設会社に勤めており、設計事務所への転職を考えていたころでした。何とか円満に転職をするため、建築設計のプロになる決意表明として絶対に取得したいと意気込んでいたことを覚えています。

 建築士試験は、古より『足の裏の米粒』などと例えられます。その心は、『取っても食べられないし、取れないと気持ち悪い』とのこと。確かに、資格を取っても受注に直結しませんし、資格がないと他の資格者をサポートすることしかできません。では、本当に役に立たないのか?というと、決してそんなことはありません。

 私は結果的に一度目の挑戦で一次試験に合格しました。その後転職して公共施設の設計に従事した際、試験勉強で得た知識は確実に役立っていると実感しました。というのも、試験で問われるのは既存の技術を基にした基礎知識であり、応用問題はありません。それに対して、公共施設の設計では独自性を出すことよりも、確立された技術を用いることが求められます。(特殊なものを除いて)まじめに試験勉強することで実務と知識が結びついて理解が深まり、技術者として一歩前進することができるのです。

 受験者の大半は社会人ですから、過去問題をひたすら解き、答えを覚えて臨む方も多いと思います。一方、物事の本質を理解しながら進めることで、合格後の仕事に繋がっていくことも事実です。そのためには、計画的な勉強と早めの準備(=段取り)が必要不可欠と言えます。

 つまるところ、試験勉強とは仕事とは切り分けられない、ということなのです。

2022年7月28日 | カテゴリー : 仕事 | 投稿者 : Koh Hokimoto